しろあじ備忘録

システム関係の備忘録。ザルのような記憶力なので、こうして書いておかないと忘れるのだよ。

【今週のお題】狂四郎2030:最高の純愛もの且つディストピア漫画

今週のお題「一気読みした漫画」

過去に一気読みした漫画はいくつもあるが、、

その中でも「自分の中で心に残ったランキング」上位にはいるこの作品。

(人によってはしんどくなる描写もある作品ではありますが。。)



3ヶ月ほど前に一気読みしたばかりなもので、

今週のお題を見て、ついつい投稿したくなった。

狂四郎2030作者:徳弘正也 全20巻
ynjn.jp

ちなみにこの作品は 集英社スーパージャンプで1997年~ 2004年で連載していたらしい。
この時期は全然雑誌の漫画をチェックしていなかったので、全然知らなかった。



徳弘正也先生というと、週刊少年ジャンプの「シェイプアップ乱」「ジャングルの王者ターちゃん♡」が私は真っ先に浮かぶ。

これらが連載していた時にジャンプを友達から借りてリアルタイムで読んでいたが、

「下ネタ満載」の印象だ。

テンポよく、話の合間合間にお約束な下ネタが入る。

そう、毎回お約束なんだけど、テンポが良いから、読みやすい。



この作品はスーパージャンプ、と対象年齢が上がったからか、

下ネタだけでなく「エロ」「グロ」「バイオレンス」なども満載だ。



でも、そういったものがただ詰め込まれていれば良いってものではない。

この作品はそれを超える、引き付けるものがあるのだ。



たまたまネットで「狂四郎2030」の存在を知って、なんとなく1巻を読み始めたのだが、

この漫画の連載時のあおり文が「近未来SF冒険SEXYバイオレンスラブロマンスせんずりコメディちんこ漫画」とだけあって、

その通りのノリ、、、あおり文の「せんずり」以降のノリで始まる。



それもあって、、、おすすめできる相手がかなり限られる。。。



お下劣な下ネタ関連(お色気も)が苦手な人は読めないかもしれないが、、、徳弘正也先生の下ネタ炸裂なので(笑)



でも、、私の中では、壮大でとても純粋なラブロマンス だった。(下ネタ耐性ありなので。。)



ネタばれしない程度にざっくり説明をすると、

話の舞台は2030年。第三次世界大戦で核戦争で8割方の世界人口が減った5年後の日本。

遺伝子で劣勢を決める管理社会となり自由も奪われた世の中。

遺伝子的には異常で危険な存在と判定された主人公狂四郎が自由を見出す旅をする話。



以下、ネタばれアリで下ネタ抜きの説明をすれば、

ボーイミーツガールな話だ。



この時代の設定は、男女隔離政策とやらで、一部の人たちを除いて、男女が離れ離れ

その代わりに、唯一の娯楽としてバーチャルマシンを与えて、その中で好き勝手楽しめるようにしつつ、

それ以外の時間は奴隷としてひたすら働く。。



なのでバーチャルマシンの中で出会うのは基本的に実存しない、自分が都合よく作り上げた存在だ。



A級プログラマーであるヒロインのユリカは、バーチャルマシンの世界を監視する仕事をしていて、

他の人とは違うバーチャル世界を過ごしている狂四郎に興味を抱き、

そのバーチャル世界に入り、志乃と名乗りバーチャルキャラのふりをして狂四郎にアクセスする。



狂四郎は志乃もバーチャルの存在と信じ込みつつ惹かれ、恋愛をする。

昼は危険を伴う敗残兵狩りの仕事をしつつ、夜はバーチャルマシンの世界で志乃とのひとときにはまる生活。。

その矢先、優秀な博士の脳みそを移植された犬「バベンスキー」と出会い意気投合。



天才なバベンスキ―は、ユリカが実在することを見抜き、

ユリカにアクセスをし、彼女が北海道の中央電子管理センターで働いていることを知る。

ユリカはユリカで過酷な管理下にいた。



ユリカが実在する、と知った狂四郎は実際に会いたい、ユリカを救い出したいと思うようになり、

バベンスキ―と共に関東地方から北海道へ向かう旅を始める。



しかし、交通手段もなく、追ってもいるしで危険だらけの旅。



その中で狂四郎が出会う人や訪れた土地のエピソードが繰り広げられる。



その数々のエピソードがかなーり重い。。。登場人物一人一人が抱えているものが悲惨なものばかりなのだ。

読むにはちょっと気力がいるかも。。。だけど、

合間合間に例の下ネタギャグが入るから、ついつい読み進めてしまう。



独特な絵柄かもしれないが、人の気持ちの描写などが私はうまいと思う。

ターちゃんの下ネタギャグ漫画イメージでいた徳弘先生だが、

ストーリーものをここまで書き抜くなんて!と感動。

(ターちゃんもストーリーのうまさを感じられる回もいくつかあったね)



悲惨で過酷、絶望しかないんじゃないのでは、という世の中で、必死に希望を見出そうとする人もいれば、

どんどん闇のほうへ進んでいく人もいる。



そんな中でのユリカの「負けるもんか!」の叫びが心に刺さる。



話はきく6つに分かれていて、それぞれちゃんと話がまとまっていて、次の章(次の旅)へという流れ。

最後はようやく狂四郎が辿り着いた、ユリカのいる北海道が舞台だ。



さてさて、北海道に辿り着き、、

最後はどうなるか、、、までは、ここでは書かないが、

人によっては「打ち切り」感を抱く終わり方と言えるかもしれない。



私はあそこで終わらせるのは、むしろ素晴らしいと感じる派だ。


ディストピア(管理社会)で出会うはずのない二人の壮大でとても純粋なラブロマンス」として良いかもしれない。

ええー、、二人がこれからどうなるの?!とハラハラしながら一気読み。

次々と試練が続く中、

次第に、バベンスキ―のような気持ちで狂四郎とユリカが出会ってうまくいきますように、と見守っていた。



コミックのあとがきを読むと、やはりあそこで終わらせるのがベストなんだろうなと思った。

もっと語りたいものが沢山あるが、、、 マイカと白鳥、アザミ、カレー、無明、、 それは読んでからのお楽しみ?で。

と、ここまで書いて。。。

この作品でググったら、私と同様「人に勧めづらい」という感想がちらほら(笑)

ここまで下ネタ、エロ満載だと、子どもにも勧められん(笑)



アニメ化は、、、難しいかねえ。。。

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狂四郎2030